09/07/06 17:20分
赤字に黄色がまぶしい「カレー」の文字。
店頭の看板にも「カレーの店」とある。
しかして、このお店カレーのお店であって、カレーのお店でない。
夕方に食べようと考えていたが、その夕方の営業時間を確認するために一度お店に顔を出す。

暖簾をくぐり、すぐ近くにいたご主人に尋ねる。
な「夕方に改めて来たいのですが、中休みはありますか?」
味「…あ、休みはないんですが、夕方は7時半には閉まっちゃうんですよ」
な(え〜っと、7時半は夕方じゃないだろう、それなら問題ないわ)
「4時半とか5時ぐらいには来るつもりですので大丈夫ですね、また来ます」
う〜ん、申し訳なさそうに対応してくれたご主人の人柄を感じるなぁ。
よし、時間を潰して腹を空かせてからまた来るぞ。
で、改めて再訪。
ちゃんと営業中の札が出ていることを確認して、店内に。
普段だと、初回ということもあって、基本のカレーライス(450円)を頼む所なんですけどね。
今日は頼みません。
いや、ここでは頼みません。
カレーであることには違いないのだけど。
そもそも「カレー」と付かないメニューのないこのお店なのだけど。
ミッションを抱えての来店でもございまして。

厨房を囲むようにL字型のカウンター席が並びますが、厨房を一望できるその短辺に座ることにする。
三種の薬味と「辛いよ」と書かれた唐辛子やソース等が目の前に並ぶ。
注文を伝えると、そこからこのお店の「味」が始まる。

カレー屋だけど鉄板。
もちろん、カレーを並々と貯めた寸胴?も4つ装備。
だけど、鉄板。
何より鉄板。
そして、この鉄板を前に儀式は始まる。
店内には客は僕一人。
おもむろに後ろを向いて僕の注文したハンバーグの玉を取り出す主人。
鉄板に正対し、両の掌の間でキャッチボールを繰り返し空気を抜く。
平べったくなった、最早玉と呼ぶにははばかられる扁平なそれを鉄板に乗せる。
ジュウ、とその扁平なる肉の塊は低い悲鳴のような溜息のような声を上げる。
その音が合図となったか、鉄板の前は主人の静かなるダンスフロアと化す。
軽快と言うのとは違うかも知れない、華麗という程に他を圧倒するものではないかも知れない。
しかし、それは長年続けられ余計なものが削ぎ落とされた、動きであり、どこか舞を舞うかのような優雅さを称えた動きに映る。
ハンバーグから蓋を外し、小手でハンバーグを返す。
そして、またすぐに蓋が乗せられる。
音が彼にタイミングを知らせ、またその短いタイミングを主人は逃さない。
その瞬間、彼は職人であり、またこの舞台の上の演者である。
その舞が終わると同時に、目の前には作品が供される。
ハンバーグカレーライス。650円

Mission complete.
「必ず鉄板を使うメニューを注文すること」それが自らに課せられたミッションであった。
デミグラスソースにも見える若干淡目にも見えるカレーソースがたっぷりと注がれた中に、一条の生クリームの川が流れる。
彼の舞の美しさはもちろん皿の上に表現されるわけである。
しかして、それは美しさのみによって成り立つわけではない。

その豊穣なるカレーソースの下には大きく広げられた肉の塊、ハンバーグがその身を白き山の上に横たえているのである。
暴力的なまでに大きな肉塊はまさに漢と言う名の獣の餌である。
柔らかい、その大きなハンバーグは、もれなく全ての一口で味わえる。

人生史上最もハンバーグフルなカレーライスであることは疑う余地がない。
そして、またその全てを覆い尽くすように惜しみなくかけられたカレーソースは、ご飯を白いままで食べることを許容しない。
たっぷりのハンバーグとカレーを満喫して、お店を後にした。
ハングリー味川 (はんぐりーあじかわ )
住所:千代田区三崎町2-17-8
tel:03-3261-5323
定休日:日曜・祝日
え〜っと、かなり過剰に表現しておりますので、くれぐれも過剰な期待をして「遊びに行く」ことがありませんようにお願い致します。(^^;
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09/07/06 17:20
しかし、美味しいそう。しかも安い!!
そもそもスタイルとか持ってませんからねぇ。(^^;
実のところ、このコメントを頂いて
「あ、こんな文書いてたんだ!」
ぐらいの感覚です。
べ、別にクスリとかやってませんよ?